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SHISEIDO MUSEUM

2020.05.13

【特別企画】SHISEIDO MUSEUM #3 「資生堂の香り・スーリール」

資生堂が時代時代にお送りしてきた広告作品、そのクリエイションにこめられた“美”のストーリーを紹介する本誌企画「SHISEIDO MUSEUM」。自粛期間特別企画として、こちらでバックナンバーをご紹介します。資生堂が広告をとおして提案してきた、未来へ向けての希望のメッセージを感じていただけたら幸いです。

「資生堂の香り・スーリール」(SHISEIDO FRAGRANCE COLLECTION 7 若草通り)雑誌広告/1981年/Art Director: 太田 和彦/Copy Writer: 佐藤 芳文/Photographer: 富永 民生/2018年秋号掲載

「資生堂の香り・スーリール」
(SHISEIDO FRAGRANCE COLLECTION 7 若草通り)

 この広告は「SHISEIDO FRAGRANCE COLLECTION」のシリーズ広告のひとつとして1981年に発表されました。
 香水スーリールの「スーリール(sourire)」とはフランス語で、「笑う、にこにこする」という意味です。「南むきの性格が、彼女の日常を、明るいものにしています。」というコピーや透明で軽やかな色彩と相まって見るものにユーモラスな印象を与え、スーリールという香水の持つ爽やかな香りを感じさせてくれるようです。
 当時資生堂宣伝部のデザイナーであった太田和彦氏はこの広告について、「香りシリーズ4年目は、再び商品を画面に取り入れたが、認知できる極限の小さな扱いで、『商品はどこにあるでしょうシリーズ』とからかわれた。『そこにある香水が空間を支配する』がテーマであるが、資生堂フレグランスの瀟洒なボトルデザインは、どう扱っても堂々たる主役の存在感をもち、写真的にたいへん心強かった」と語っています。
 香水の広告というイメージに流されることのない、小粋なペンギンとミュージシャンの組み合わせが見るものに新鮮な印象を残す広告です。        

文/丸毛 敏行(資生堂 社会価値創造本部)