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SHISEIDO MUSEUM

2020.06.24

【特別企画】SHISEIDO MUSEUM #9 「資生堂2001年への道」

資生堂が時代時代にお送りしてきた広告作品、そのクリエイションにこめられた“美”のストーリーを紹介する本誌企画「SHISEIDO MUSEUM」。特別企画として、こちらでバックナンバーをご紹介します。資生堂が広告をとおして提案してきた、未来へ向けての希望のメッセージを感じていただけたら幸いです。

「資生堂2001年への道」(1969年)
新聞広告/資生堂スペシァル/Art Director: 水野 卓史/Designer: 水野 卓史/Copy Writer: 土屋 耕一

 この広告は1969年の資生堂スペシァルの新聞広告です。60年代後半、日本は高度成長の時期でしたが同時に公害問題も深刻化してきました。この広告にも「1985年においては、社会の安全が脅かされる危険性は現在よりもはるかに大きい」(『20年後の日本』日本生産性本部刊)という言葉が引用され、美容と環境との関わりについても語られています。
 63年に誕生した資生堂スペシァル化粧品は、社会で起こりうるさまざまな公害を考え、その皮膚への影響をもっとも少なく食い止めるための研究の中から生まれた基礎化粧品の一つでした。
 美しくなることと社会との関わりについて考えサステナブルな社会への貢献を目指す企業姿勢は、資生堂という社名の由来である『易経』の中の言葉「至哉坤元 万物資生」(大地の徳はなんとすばらしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる)という大地、地球環境、社会を敬う言葉の中に既に見ることができ、その精神は今も息づいています。

文/丸毛 敏行(資生堂 社会価値創造本部)