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SHISEIDO MUSEUM

2020.06.19

【特別企画】SHISEIDO MUSEUM #8 「パーキージーン」

資生堂が時代時代にお送りしてきた広告作品、そのクリエイションにこめられた“美”のストーリーを紹介する本誌企画「SHISEIDO MUSEUM」。特別企画として、こちらでバックナンバーをご紹介します。資生堂が広告をとおして提案してきた、未来へ向けての希望のメッセージを感じていただけたら幸いです。

「パーキージーン」(1983年)
資生堂広告ポスター/Art Director: 仲條 正義/Designer: 安原 和夫/Copy Writer: 佐藤 芳文/Photographer: 与田 弘志/Illustration&Model: ダギー・フィールズ/Model: 仲澤 真理

 ブランド名は「陽気で快活でちょっと小生意気なミス・ジーンのカジュアルな生活」の意を込めたネーミング。発売は1982年。当時、日本のファッショントレンドを牽引していた女子大学生が中心ターゲットでした。彼女たちのおしゃれ生活に参画する総合ブランドとして、スキンケア、メイクアップ化粧品、ファッション製品をラインナップしていました。
 このポスターの天井まで届く大きな絵は、ロンドン在住のポップアーティストの寵児、ダギー・フィールズの作品です。中央の女性は初代パーキージーンモデル、現役女子大学生の仲澤真理、左側に立つ絵筆を持つ男性はフィールズ氏本人です。2次元のキャンバスに3次元の人物を配したポップなアート表現は、発売2年目となるパーキージーンの世界観を、さらに軽快かつファッショナブルに彩りました。
 赤・黄・青の三原色で好みの色を自在にクリエートするなど、アート的な楽しみを提供するパーキージーンと、ダギー・フィールズの鮮やかな世界との出会いは新たなアートを共創し、好奇心旺盛で自由なクリエーションを好むターゲット層の共感を呼びました。

文/髙野 ルリ子(資生堂 社会価値創造本部)