資生堂が時代時代にお送りしてきた広告作品、そのクリエイションにこめられた“美”のストーリーを紹介する本誌企画「SHISEIDO MUSEUM」。特別企画として、こちらでバックナンバーをご紹介します。資生堂が広告をとおして提案してきた、未来へ向けての希望のメッセージを感じていただけたら幸いです。
日本、アメリカ、イタリアの資生堂スタッフが共同で研究開発を進めたグローバルブランド「インウイ」は、1977年に「彼女が美しいのではない。彼女の生き方が美しいのだ。インウイ。」という鮮烈なメッセージと共に登場しました。
商品名の「インウイ(Inoui)」は、フランス語で「この上ない、比類なく素晴らしい」を意味しています。
ジョギングする女性の躍動感にあふれた一瞬を切り取った写真と力強いコピーが印象的なこの広告では、女性の美しさを新たに捉えなおそうという試みがなされています。
資生堂は当時、新しい女性の生き方として、仕事をこなし、アクティブでハイセンス、そして自分の意思に基づきファッションやライフスタイルを選択する「ニューワーキングウーマン」という女性像を提案しています。「インウイ」の広告は、当時から資生堂が商品を通じて社会へ新しい価値観を提案しようとする企業であることを物語っています。
文/丸毛 敏行(資生堂 社会価値創造本部)