資生堂が時代時代にお送りしてきた広告作品、そのクリエイションにこめられた“美”のストーリーを紹介する本誌企画「SHISEIDO MUSEUM」。特別企画として、こちらでバックナンバーをご紹介します。資生堂が広告をとおして提案してきた、未来へ向けての希望のメッセージを感じていただけたら幸いです。
資生堂は1996年に発表した「21世紀ビジョン」の中で、グローバルNo.1企業にふさわしい支持を世界中のお客さまからいただくために「すべての世代の人びとのサクセスフル エイジング(=美しく、健やかに年を重ねる)に貢献していく」ことを企業活動の軸とすることを宣言しました。
そして、翌1997年、そのサクセスフル エイジングという考え方をマチュア世代に向けて具現化した大型ブランド「アクテアハート」を発売しました。
この年は、資生堂が創業してから125年、初めて西洋薬学処方の化粧水オイデルミンを発売し化粧事業を始めてから100周年の記念の年でした。
1998年のアクテアハートの雑誌広告のキャッチコピー「美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。」という言葉はサクセスフル エイジングという新しい価値観を広告を通して社会に提案するひとつの試みだったと言えるでしょう。
その後も資生堂は創業当時のモノづくりの精神を継承しながら、最新の技術で多様なニーズに応える化粧品を開発してきました。新たな価値を生み出し社会に大きな変化をもたらそうとした創業以来のイノベーションの精神は今も脈々と受け継がれています。
文/丸毛敏行(資生堂 社会価値創造本部)