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空想ガストロノミー

2019.01.23

Poison Poisson

イラスト・文/田中 麻記子

最近では、フランス人でも本格的な寿司職人が登場したりと、以前より日本に帰らずとも美味しいお寿司を頂くことができるようになりました。
だけどこの時期の旬のお魚で、なかなかフランスでは味わえないものと言ったら、「ふぐ」!の「お刺身」=「てっさ」。

英語でBlow fish とも言うくらい、威嚇する時ぷ〜っと膨らむ可愛いふぐ!
唐揚げやヒレ酒で楽しんだり色々な調理法がある中でも、これぞ日本料理というのは、やはりお刺身の「てっさ」。

ふぐには毒があることから、当たったら一発で、という意味もあって「テッポウ」との異名も。その「テッポウ」のお刺身(さしみ)だから「てっさ」なのですよね。

毒とか鉄砲とかちょっと怖いイメージもありながら、そのトランスペアレントなお刺身は、本当に美しいお花のように盛り付けられます。

まだ新年のムードが少しだけ続くこの時期、くす玉が割れて、美しい透明のお花が咲いて、春の予感。
(紅葉おろしも忘れずに♡)

田中 麻記子

イラストレーター/画家

1975年 東京生まれ フランス在住
水彩、油彩、パステル、鉛筆を中心に国内外で発表。
食べ物デッサンの画集「La collection gastronomique」(HeHe / ヒヒ)、ピエール・エルメ・パリ・ジャポン「Macaron Baby」のデザインを手掛ける。
photo:Aya Watada
http://tanakamakiko.com/

GIFアニメ制作協力/植木 駿