過渡期であるいま、時代の“豊かさ” を映すファッションは何を表しているのでしょうか？

ファッション新連載「UPDATE FASHION」は、現代のファッションをさまざまな角度で捉えようとする試みです。そのプロローグ vol.00としてお送りするのは、「現代のファッション観」についての考察。時代時代に変わりゆくファッションの価値観、その現在の姿を、アーティストコレクティブCulture Centreに参加する作家の作品を通して考察していきます。今回は中野泰輔さんの作品をご紹介します。

ゆれる時代、捉えどころのないファッションという名の現象を探して。

今回お話を頂いて、私の姉妹や、家族のような女性の友人を撮影することにしました。私と彼女たちは、東京における周縁的な場所を一緒に探し出す、小さい探索を行いました。女性や性的マイノリティは、身体や精神の制限や規制、そして周縁化しようとする力を常に受け続けてきました。私が服に求めるものは、それらの規制や抑圧に抵抗できるパワーを与えることが出来るもの。武器や、鎧や、安心できる家のような機能を持っているもの。それだけです。

―中野 泰輔

中野 泰輔
1994年生まれ。東京在住。2018年第18回 1_WALL写真部門グランプリ。2021年第44回 写真新世紀優秀賞受賞（ライアン・マッギレー選）。
HPhttps://www.taisukenakano.com
IG https://www.instagram.com/taisuke_nkano/