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今月の詩

2022.12.14

「公式」

詩/詩村あかね

なんどでも立ち上がるためには
ちからをぬいていることがだいじ
土には土の 水には水の
法則があるように
わたしたちにも
E=mc²
みたいなうつくしい公式を
みちびきだせるはず

許容の広さは限りなく
理解の速度は光のようで
あてはめれば一瞬で力みが取れる
わかるよりはやく
脊髄反射みたいに抱き合える
懐かしい友のように
触れ合わなくても交感できる
隣人がソウルメイトになれるミライ。

安らぎは通常モード
怒りや欺瞞は緊急アラート
何かを信じないと生きられない
それはもはや伝説
声の小さい人の言葉が
届きやすい通信速度
見逃さない見過ごさない
よわくちいさな存在を

あたらしい年がきて
あたらしい発見がある
風が切り替わる凪のように
すべてがしずまる
きえて、うまれて、うごいて、まわって、とどいて、むすんで、
つよく、つながる

あとは
みつけだすだけ