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Collection

2016.10.20

東京コレクションレポート Vol.01 YOSHIKIMONO

文/花椿編集室

写真/三宅 英正

年2回、東京で行われるファッションショー「Amazon Fashion Week Tokyo」が10月17日よりスタート。初日は、「YOSHIKIMONO COLLECTION 2017」が開催された。

ソングライター、ドラマー、クラシックのピアニストでもあるアーティスト、YOSHIKI氏が創造するYOSHIKIMONOは、日本の伝統文化である着物を世界中に紹介したいという強い信念のもと、京都の老舗着物メーカー、スコープココの加納圭悟氏との出会いによりうまれた着物ブランド。

2回目となるショーは、YOSHIKI氏が即興でピアノを奏でるなか、静かに始まった。今回の新作は、メタリックプリントやゼブラ柄、ヴィヴィッドな色の花柄などのモダンなパターンや、PVC素材などの目を惹くテキスタイルを多用。ミニのベアトップドレスのルックやドレス風にアレンジしたようなスタイリングで着物の着こなしを現代風にアップデートした。オーソドックスな着こなしにも華やかな帯を合わせるなど随所にモダンな工夫が見られた。

鈴木節子

今回のショーのメーキャップを手がけたのは、資生堂のヘア&メーキャップ アーティストの 鈴木節子。和装メークを基調に、西洋人と東洋人向けの2パターンのメーキャップを用意した。西洋人向けには目じりに赤いラインとチークに赤味をほんわりと施し、口もとには深みのあるボルドー色を。東洋人向けには、漆黒の太いアイラインで切れ長の目もとを強調し、口元には真紅の紅を合わせた。ポイントを目もとと口もとにおき、ベースは軽めの仕上げ。和装メークがアレンジされ、西洋にも東洋にもうまくマッチしたものに仕上げられていた。

ピアノからドラムに移ったYOSHIKI氏は、激しく音が身体に響くドラミングを披露。中盤からのスコールの演出で濡れそぼるYOSHIKI氏とモデルたち。美しく創り上げたものを一瞬で濡らしていく。20分たらずのショーのなかで、YOSHIKI氏の刹那的な「美しいもの」へのこだわりを見せてくれた。

(花椿編集室 渡辺恵理)

三宅 英正

写真家

1986年岐阜県出身。08年よりフォトグラファーとしてイメージビジュアルの制作やドキュメンタリーの撮影に携わる。近年ではコラボレーションワークとしプロダクトを制作したり、企画のプランニングを手掛けるなど活動の幅を広げる。