現在、ウェブ花椿では「今月の詩」の応募を受け付けています。詩を書いている人や、詩を書いてみたいと考えている人は、この機会に気軽に応募してみてください!応募はこちらから。
今回は、『花椿』2021年春夏号の花椿文庫で詩集「風」を執筆された、詩人・佐野豊さんのインタビューをお送りします。佐野さんは、2019年に実施したウェブ花椿の「今月の詩」に応募されました。
ーどういうきっかけで、詩を書くことを始められたのですか?
私は昔からギターを弾いたり音楽を創作したりと「何かを表現する」ことに興味がありました。大学を卒業して図書館司書になると、仕事を通じて文学について語り合う友人ができ、そういったなかで2015年に高階杞一さんの『高階杞一詩集(ハルキ文庫)』という作品に偶然出会いました。この作品を読んで、自分でも詩を書くという表現にチャレンジしたくなり、そこから詩の教室に通いたいと思うようになったんです。そんなときに詩人の松下育男さんが詩を教えてくれる教室があることを知って通いました。ですので、詩を書き始めてからのキャリアはそんなに長くないんですよ。
ー現在の詩人としての活動について、教えてください。
詩の教室に通うなかで仲間ができて、2018年にその仲間たちと「極微」という団体を立ち上げました。仲間とは常に詩について語り合いながら、詩誌『極微』を不定期で刊行しています。2019年には詩集『スワン』(私家版)を発表しました。他には、詩を掲載する雑誌に作品を投稿するなどしています。
ーパソコンに向かって詩を書く人や、原稿用紙に向かって詩を書く人など、詩にはいろいろな書き方があると思いますが、佐野さんはどうですか?
私は通勤の電車に乗っているときなどのちょっとした時間、短い自由な時間に言葉が浮かぶことがよくあります。そういうときはスマートフォンにそれを記録して、仕事から帰ったあとに、スマートフォンを見ながらパソコンに向かって詩を書きます。
ー佐野さんは2019年にウェブ花椿の「今月の詩」に応募されました。そのときの思いについて教えてください。
私と同じくウェブ花椿をきっかけに2019年の花椿文庫で執筆された草間小鳥子さんと面識があって、そこから「今月の詩」を知りました。自分も詩を書いていたので、応募したいと思いました。
ー花椿文庫で執筆された今の思いはいかがですか?
執筆の話をいただいたときは「まさか自分が?」と大変驚きました。詩集をつくるにあたって、詩全体を通して風通しのいいものにしたいと考えました。つまり、閉塞感のあるようなものにしたくはなかったという思いで詩作をし、全体の構成を考えました。自分が納得できる詩を書けたときには喜びを感じたことを覚えています。できあがった花椿文庫には、私の作品を読んでくださった高橋源一郎さんと文月悠光さんからのコメントが収められています。お二人や挿絵を描いてくださった秋山花さんに心から感謝しています。
ーいま、詩を書こうと考えている人へメッセージをお願いします。
私が詩を書き始めたのはここ数年の話ですが、これからももっともっと詩を書いていきたいです。詩を書くということが私にはあるから、生き生きとした人生を送れているような気がします。
私のように、ふとした瞬間に浮かんだ言葉をスマートフォンに保存しておけば、そこから詩は生まれるかもしれません。お友達にSNSで送ったメッセージを見返すと、詩の種になるような素敵な言葉があるかもしれません。夢中になってストイックに書こうとすることで詩が生まれるかもしれません。いろいろなところに詩があると思うので、どんどん書いてみることがいいんじゃないかなと思います。
これまでにウェブ花椿で掲載した【詩のレッスン】は、以下のリンクからお読みいただけます。
【詩のレッスン#1】はこちらから
【詩のレッスン#2】はこちらから