環境音楽を隔月で紹介する連載企画、「花椿アンビエント」。今回は、「環境」をめぐる「香り」と「音楽」のシリーズの二回目です。

今回お送りするのは、「Kitsune No Yomeiri（狐の嫁入り）」。シリーズのコンセプトとなっているリトリートスティックの香りのうち、バラの香りを基調とした「Morning Bloom」とペチパーのさわやかな香りが印象的な「Refreshing Rain」をかけあわせた香りをイメージしています。

秋晴れと秋雨が交互に訪れる秋の空。最近では残暑の影響もあり、とくに雨の降る日は湿度を感じやすいこともしばしばです。そのような中で、雨は雨でも、太陽が照りながら雨が降る空模様をご覧になったことはありますか？ 古くは「狐の嫁入り」、一般的にはお天気雨といわれるこの気象は、陽の光に照らされた雨粒がきらめき、環境空間にふしぎな清涼感をもたらします。黒澤明監督の映画作品『夢』に登場する狐の嫁入りの一場面のイメージも重ねながら作られたというこちらの楽曲。一音一音がやわらかな雨粒の感触をともなって感じられるような、体験的な音楽です。仕事や勉強、家事の合間のリフレッシュ時間に、どうぞお楽しみください。

Artwork/ Ririko Sano (SHISEIDO CREATIVE)