次の記事 前の記事 今月の詩 2022.12.13 よむ WORDS ART 「地球(ほし)」 詩/詩村あかね ゆがんでいても ふしぎに立っている建物がある 大地との狭い接点を わけもなく信じて 上下左右に働く重圧を 一粒の支点が担っている わたしは見上げている 手妻をみる子のように白目がちに その均衡をどこかで疑いながら 閃光と瓦解の瞬間を惧れながら。 ゆがんでも屹立する建物には 870万種が住む 一陣の風がおこれば 羽を持つものが先に飛び立つ