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Column

2023.04.27

書籍『写真前夜』からひもとく、写真家・瀧本幹也の思考

『花椿』の資生堂150周年記念号(2022年発行)では、「万物資生」企画にて師匠の藤井保さんとの共創で作品を制作くださった写真家の瀧本幹也さんが、自身のことばで語る、初のハウツー&エッセイ本『瀧本幹也 写真前夜』(玄光社)を刊行されました。

小学校4年生のときに天体写真に魅了され、写真への思いをあたため続け、写真家になることを決意し、高校を中退。16歳、写真家への道がスタートしました。地元の名古屋で修業の後、東京の10BANスタジオに勤め、後に師匠となる藤井保氏と出会うことになりますが、じつはこの10BANスタジオは、かつて『花椿』のADだった仲條正義さんがよく使っていたスタジオ。若かりし頃の瀧本さんも『花椿』の撮影を目にしていたそうです。

都内スタジオで働きながら一心に写真の技術を身に着け、そして憧れの師匠の弟子になり、そして独立。そこから、としまえん、ラフォーレ原宿、TOYOTA、サントリー天然水、カロリーメイトなどの広告や近年では是枝裕和監督の『そして父になる』(カンヌ国際映画祭で審査員賞受賞)など映画や映像作品などを手掛け、第一線で活躍されています。
誰もが必ず目にしたことのある瀧本さんの作品ですが、本書では作品を見るだけでは知ることのできない、これらの仕事やプライベートワークができ上るまでの過程や悪戦苦闘の様子などの内幕が、現場の写真とともに丁寧に瀧本さん自身のことばで語られています。

瀧本さんの写真との向き合い方、写真に対してのあくなき探求心がつまった1冊は、写真を志す人も、写真の仕事につきながら壁にぶち当たっている人も、いまモノづくりに携わる人にとっても、人生の参考となるはずです。
ぜひ手に取ってみてください。

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