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Column

2017.08.03

「かのひと 超訳 世界恋愛詩集」

100年前、1000年前でも、恋をすれば私たちは何ひとつ変わらない。この詩集を読むと、いつの時代も、恋する感情は普遍的なのだとどこか勇気づけられる。

著者である詩人、菅原敏さんは、この本によせて「今の恋も、昔の恋。いにしえの詩人たちとまなざしを重ねるたび、『いつの時代も恋すれば人は変わらない』と知ります。埃をかぶった古い本の中に小さな宝石を見つけ出すように。あなたの日々に寄り添い、時に処方箋となってくれるような一篇を」とメッセージを送る。

Photo:Masashi Nagao

詩集には、ゲーテ、シェイクスピアから小野小町まで、恋愛を題材とした古典作品をモチーフに、菅原敏さんが新訳した詩三十五編が、アーティスト久保田沙耶さんの挿絵とともに収録されている。

Photo:Masashi Nagao
Photo:Masashi Nagao

恋に対する悩みは、いつの世も変わらないもの。いにしえの詩人たちが紡ぐ宝石はきっとあなたの心にも届くはず。普遍的な恋の感情のことばの中から自分だけの処方箋を見つけてみてはいかが。

菅原敏(すがわら・びん)
詩人。アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ウサギと女たち』で逆輸入デビュー。執筆活動を軸に、異業種とのコラボレーション、ラジオやテレビでの朗読、デパートの館内放送ジャック、メディアプロジェクト『詩人天気予報』など、詩のない所に詩を運ぶ独自の活動を展開。Superflyへの作詞提供、東京藝術大学との共同プロジェクト、美術家とのインスタレーションなど音楽や美術との接点も多い。現在は雑誌『BRUTUS』「GINZA」ほか連載も多数。低く響く声を生かしナレーションも手がけている。

久保田沙耶(くぼた・さや)
アーティスト。1987年、茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域卒業。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを作品の重要な要素としている。個展「Material Witness」(日英大和基金)や、アートプロジェクト「漂流郵便局」(瀬戸内国際芸術祭2013)など。

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「かのひと  超訳 世界恋愛詩集」 (東京新聞)

著:菅原 敏

1,836円 (本体価格1,700円)