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Column

2017.07.26

「資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展」

佐賀県武雄市にある大庭園、御船山楽園で「資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展」が10月9日まで開催されている。

本展では、約50万平米の敷地につくられた桜やつつじなど四季の折々の花々が園内を彩る御船山楽園に「自然が自然のままアートになる」というテーマのもとつくられたデジタルアート14作品を展示。

舞台となる御船山楽園は、今から172年前、1845年(江戸後期)に、日本の巨木7位である樹齢3000年以上の武雄神社の神木や、何百万年もの時間の中で形作られた巨石、洞窟など、森の木々を生かし創られた庭園だ。

展覧会の醍醐味ともいえる、まるで森に迷い込むかのような感覚。チームラボの「日常では感じられない、何十億年という圧倒的な時間の長さの、永遠に繰り返されてきた生命の生と死の連続性の上にある自分の存在を感じてほしい」の言葉にあるとおり、長い年月をかけて作られてきた自然と人との営みが息づく御船山楽園という場所だからこそ体験できるアート展となっている。

展示作品のひとつである「SHISEIDO」の新スキンケアライン「WASO」とコラボレーションした「WASO Tea House - 小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々」。

「WASO」のコンセプト「All things beautiful come from nature(自然からくる美しさ)」と「自然が自然のままアートになる」が融合した、五感でブランドの世界観を体験できる作品だ。

茶碗の中に茶を入れると、そこに花々が生まれ咲いていく。茶碗を手に取って動かすと、花は散り、花びらは茶碗の外へと広がっていく。茶碗の中に茶がある限り、花々は、また生まれ咲き続ける。茶碗の中に茶が存在して初めて作品が生まれる。飲み干すと、作品は存在しなくなる。作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではなく、全体として以前の状態が複製されることなく、鑑賞者のふるまいの影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

他にも巨岩に滝の姿が現れる作品、洞窟の岩壁に空書を永遠に書き続ける作品、本物の池に回遊する鯉を投影した作品など、多くの作品が公開されている。この自然とデジタルアートが織りなす幻想的な世界へぜひ足を運んでほしい。

増殖する生命の巨石 / Ever Blossoming Life Rock

苔生す巨石に、花々が永遠に咲いては散っていく
かみさまの御前なる岩に憑依する滝 / Universe of Water Particles on a Sacred Rock

三次元空間に再現された巨岩に現れた滝
岩割もみじと円相 / Split Rock and Enso

岩を割って生えている岩割もみじの岩に、禅における書画のひとつ「円相」(円形を一筆で描いたもの)がうかびあがる
小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング / Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and Boats – Mifuneyama Rakuen Pond

池に大きな鯉を投影。水面はセンシングされ、映像は池に浮かんで進む小舟とともにインタラクティブに変化

資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展

場所:佐賀県武雄市 御船山楽園(佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100)

開催期間:2017年7月14日(金)~10月9日(月)

開催時間:7月14日(金)~8月14日(月)まで 20:00~22:30(最終入場22:00)、8月15日(火)~10月9日(月)まで 19:30~22:30(最終入場22:00)

料金:御船山楽園入園料として、大人1,600円、中高生1,200円、小学生800円、未就学児 無料

公式サイトはこちら→「資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展