『ウェブ花椿』でGIFアニメ「空想ガストロノミー」を連載中の田中麻記子さんの個展「空想のハーブ薬局」展が恵比寿のLIBRAIRIE6で開催されている。
テーマとなっているのは理想と現実の狭間にある不思議な空想薬局の世界。
「今までは目で見てわかる料理や食べものを描いていたが、ハーブやスパイスといった<味>(目に見えないもので口に入れるもの)をテーマにしていくようになりました」そう話す田中さんは、2013年からパリに在住。パリ市内にたくさんあるエルボリストリー(民間療法の薬草薬局)を巡っていく中から着想を得て、今回の個展作品の制作に至った。
今展では、水彩パステル・油絵・セラミックの作品約30点を展示。
水彩画は薬局に貼ってあるポスターや処方箋のイメージ、油絵は空想の中の瞬間を切り取ったイメージ、そしてそれを3D化させたセラミックシリーズ、といったように、それぞれ異なるテーマで制作されているが、それらはすべて、ひとつのストーリーとしてつながり、空想のハーブ薬局の世界をつくり上げている。
田中さんは、パリで過ごす日々の中で、メトロの中で想いにひたるさまざまな表情の女性や移民街で見かけた女性たちの顔を目に焼きつけ、一日一枚、印象に残った顔をデフォルメして描いていくというデイリーワークを始めたそう。そのうちに、描く対象が顔からオブジェへ徐々に移っていき、架空の陶器が誕生。あるとき陶器の中にスープを入れてみて、そこから発想が広がり食べ物シリーズへと広がっていったという。
昨年にはフランスでの生活を機に始めた水彩画による食べ物シリーズ『La collection gastronomique』(HeHe刊)も出版された。
「空想のハーブ薬局」展は、7月23日(日)まで開催中。
猛暑のおり、田中麻記子さんのファンタジックで美しい空想の世界に包まれてみてはいかがだろうか。
会期:~2017年7月23日(日)
場所:LIBRAIRIE6(東京都渋谷区恵比寿南1-12-2 南ビル3F)
時間:12:00~19:00(日/祝18:00)
※定休月・火曜日
電話:03-6452-3345