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インタビュー

2023.12.08

花椿×NARS Energy Makeup #2

1994年、フランソワ・ナーズにより創設され、⼀⼈ひとりの個性を尊重し、すべての商品にモダンでオーデイシャス、アイコニックなブランドのDNAが息づくNARSが、来年30周年を迎えます。それを記念し、2023年号『花椿』本誌のテーマである「OUR ENERGY」とコラボレーション。各回エナジーを感じると思うゲストの方にご登場いただき、NARSのグローバル アーティストリーディレクター・Sada氏がメーキャップの力でさらなるエナジーを引き出し、エナジーにまつわるお話をお伺いしていきます。第2回のゲストは、俳優・歌手として輝きつづける小泉今日子さんです。

Vol.2 Kyoko Koizumi

――今回のエナジーメーキャップについて。

小泉今日子(以下小泉):こういう風に作り込んだファッションの撮影が最近は少ないと思うんですけど、私が若いころは全盛期だったので、あ~なんかこの不自由な感じ!と思い出してすごく久しぶりで楽しかったです。(笑)

Sada:フィッティングから、撮影中の表情やポージングにおいてもこちらが説明をする必要がないほど色々感じ取ってくださり、それがとてもうれしかったです!

――Sadaさん、Energy Makeup第2回のゲスト小泉今日子さんのメイクのコンセプトを教えてください。

Sada:子どものころから、そして特にファッションがとても好きだった高校生のころからずっと小泉さんは自分にとってファッションリーダーで、いろいろな表情があるかたで、本当に素敵だなと思って拝見していました。
その当時の小泉さんとの出会いが、今のお仕事がしたいと思うきっかけにもなっているんですよ!
今回は、少し大胆に遊ぶメイクにトライしました。正確にアイラインを引いたり、きれいなグラデーションアイシャドーにするというよりは、メーキャップが重たくならないように、ラフさを出してバランスをとり、小泉さんのお顔立ちがそのまま残るように仕上げました。

――本企画のコンセプトがエナジーのある方とメイクのエナジーの融合なのですが、小泉さんがエナジーを感じる方はどんな方ですか?

小泉:エナジーを感じるって自分との相性だと思うんです。乾電池も、N極とS極を間違えたら全く電気が通わないけれど、ぴたっと合う人って、年月関係なく今日初めてお会いしてもこうやって表現ができたりする。今日の撮影のように、もちろん一人一人がエネルギーをたくさんもっていると思うけど、それがうまく繋がったときに私は快感を感じますね。そういう快感が得られることがこの仕事をしている喜びですね。それは音楽のお仕事のときもそうだし、俳優として演技をしているときもですね。

Sada:今日この現場でエネルギーを感じていただいたというのはとても嬉しいです。

――Sadaさんはエナジーを感じる方や、いつも魅了されるような方というのはどんな方ですか?

Sada:どんな仕事であっても、最初から頭の中でこうって決めてやるというよりは、じゃあここだったらこうしようと臨機応変に対応されている方ですかね。そういう方とご一緒するとそれぞれの力が足し算より掛け算になってくるというか。世界がばーっと広がっていく感じがすごくあるんですよね。

小泉:そうそう!誰かと誰かが集まったときにふぁ~って世界が広がる、みたいな。すっごい世界って広いじゃん!っていう感じになるのがいいなって思う。

お二人にとって、メイクをすることはどんなことですか?

Sada:美の価値観はたくさんあると思うので、なんでもいいっていったらあれなんですけど(笑)できれば自分が楽しむためにメイクをするというか、そういうことをもっとしてくれる人が増えたら嬉しいなと思っています。

小泉:私はもともと歌手だったり、あと俳優のお仕事もしているから、メイクとか衣装って、表現の手助けをしてくれる本当に一番心強い小道具なんですよ。メイクは表現するときの相棒で、衣装は武装だと思ってるんです(笑)。だから私の場合はキレイに見せようというよりは、表現の一つって若い頃からそういう感覚になっているので、逆に普段はそんなにきっちりメイクして出かけることがあんまりないんですが、最近は明るい口紅を塗ったりします。というのも一時期赤い口紅がしっくりこない時期があって、これは年齢を重ねると自分の中から赤が減っていくからと言われているんですよね。でも最近また赤い口紅が大丈夫な年頃になってきたなと思ってるんです。なんだかそれがすごく楽しいですね。自分に足りないものを補ってくれたり、立っているステージによって楽しみ方が変わるのがメイクだなと思います。

写真/嶌村吉祥丸  @kisshomaru
動画/河澄大吉  @daikichi_kawazumi
ヘア/KENICHI @kenichiforsenseofhumour
スタイリング/影山蓉子 @yohkokageyama
メイク/Sada Ito @sadaito

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*黒ボディスーツ / スタイリスト私物


*(株)コム デ ギャルソン 03-3486-7611

小泉今日子

歌手/俳優/文筆家/プロデューサー

1966年、神奈川県厚木市生まれ。1982年、「私の16才」でデビュー。以降、多数のヒット曲をリリース、俳優としてドラマ、舞台、映画でも活躍。50歳を迎えて、2015年に株式会社明後日を設立。明後日がプロデュースする演劇公演を続け、『日の本一の大悪党』では演出も手がける。また、脚本家・坂元裕二と俳優・満島ひかりによる「全国へゆこうか!朗読ジャーニー『詠む読む』」、ジャンルレスの音楽発掘イベント「GO→TO」、下北沢の本多劇場からライヴ、トーク、演劇、朗読など新しい文化の息吹を伝える「asatte FORCE」などのシリーズをプロデュース。他に、師弟のような間柄だった演出家・文筆家の故・久世光彦が14年間書き続けたエッセイを受け継ぎ、その世界を朗読とピアノ、歌でよみがえらせた舞台『マイ・ラスト・ソング〜久世さんが残してくれた歌〜』(2016年、2018年、2020年)、無観客配信ライヴ『唄うコイズミさん』(2020年)、『唄うコイズミさん 筒美京平リスペクト編』(2021年)など。2015年、シス・カンパニー公演『草枕』の演技で第50回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。エッセイ、書評にも定評があり、著書も多数。2016年刊の『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチパブリッシング)で講談社エッセイ賞受賞。
https://asatte.tokyo/

Sada Ito

ヘアメイクアップアーティスト

2001年、NARS日本1号店のカウンターでメーキャップスタイリストのキャリアをスタート。2018年当時、世界で3人しかいないグローバル アーティストリーディレクターに就任した、名実ともにNARSを代表するアーティスト。広告や雑誌、セレブリティからの指名や、コレクションのバックステージでリードアーティストを務めるなど、国内外を問わず活動の場を広げている。
https://www.instagram.com/sadaito/