12月3日 「私からの眺め」
見知らぬ住宅街を歩いていると、
異世界に迷い込んだ気分になる。
同じような家並みで、同じような曲がり角で、
くるくる回るスカートみたいな、見慣れた花が揺れているのに、
どこにも私の所在はない。
答えはない、なぜ私は私なのかの問いに。
写真家・鈴木親さんが撮影した、何にも揺るがず、みる私たちに静かに力を与えてくれる花と、移ろいゆく自然に思いを馳せ、逡巡しながらも日々を生きる内田紅甘さんが、ささやかに言葉を綴る連載です。