10月8日 「まばゆい光景」
猫は前触れもなく駆け出し、
すべてを忘れたように寛ぎ、
何時間も眠っていたみたいな顔で起き上がる。
その目まぐるしい姿を前にすると、
毎朝数分の日光浴がずいぶん長く感じられる。
小さな瞳で青空と、
一年が一生である花々を見上げて。
写真家・鈴木親さんが撮影した、何にも揺るがず、みる私たちに静かに力を与えてくれる花と、移ろいゆく自然に思いを馳せ、逡巡しながらも日々を生きる内田紅甘さんが、ささやかに言葉を綴る連載です。