7月23日 「流体」
次々と訪れるはじまりの瞬間を迎えにいく。
すべてをひとりで手にするよりも、
何もかもをひとりではできないと思った方が、
ずっと自由に生きていけるのかもしれない。
桜はもうどこにもない、夏の光の中で息をしている。
写真家・鈴木親さんが撮影した、何にも揺るがず、みる私たちに静かに力を与えてくれる花と、移ろいゆく自然に思いを馳せ、逡巡しながらも日々を生きる内田紅甘さんが、ささやかに言葉を綴る連載です。7月は、愛でる間もなく散ってしまった今年の桜を思い出します。