次の記事 前の記事 Flower and Diary 2020.06.25 みる よむ WORDS PHOTOGRAPHY Flower and Diary. #9 「恍惚」 写真/鈴木 親 文/内田 紅甘 6月25日 「恍惚」 陽に透けた耳が赤く染まって、他には何もいらないと思った。 目が眩むほどの愛の中で、生まれたての赤子のように泣き、 すべてを包む母のように微笑み、 永遠の少女のように走り回っている。 強い光が落とす藍色に、ただ沈んでいく果てしなく深く。 写真家・鈴木親さんが撮影した、何にも揺るがず、みる私たちに静かに力を与えてくれる花と、移ろいゆく自然に思いを馳せ、逡巡しながらも日々を生きる内田紅甘さんが、ささやかに言葉を綴る連載です。 鈴木 親 フォトグラファー 1972年生まれ。1998年渡仏。雑誌Purpleにて写真家としてのキャリアをスタート。国内外の雑誌から、ISSEY MIYAKE, TOGA, CEBIT, GUCCIのコマーシャルなどを手がける。 主なグループ展に1998年 COLETTE (パリ / フランス) 、2001年 MOCA (ロサンゼルス / アメリカ)、 2001年HENRYHENRY ART GALLERY (ワシントン / アメリカ) がある。 主な個展に2005年 TREESARESOSPECIAL (東京 / 日本) 、2009年 G/P GALLERY (東京 / 日本) 、 2018,2019,2020年 KOSAKU KANECHIKA (東京 / 日本)がある。 作品集は、2005年『shapes of blooming』(TREESARESOSPECIAL) 、2008年『Driving with Rinko Kikuchi』(THE INTERNATIONAL) 、2009年『CITE』(G/P GALLERY, TREESARESOSPECIAL) 、 2014年『SAKURA!』(LITTLE MORE) 、2020年『Shin Tokyo』(apb)など。 https://www.instagram.com/chikashisuzuki1972/ 内田 紅甘 文筆家/俳優 1999年東京生まれ。女優。現在は文筆業を中心に活動。 漫画家、小説家、俳優などで活躍する内田春菊を母にもつ。 趣味は映画鑑賞と読書、好きな食べ物は茶碗蒸し。 https://lineblog.me/guama__/