9月って夏だったかしら? と思うほど、残暑がしぶとく居座っていますね。秋冬ものがクローゼットでスタンバイしているというのに、とてもじゃないけど袖を通す気にはなれません。
そんな東京から脱出! と秋物詰めてニューヨークへ行ってきました。こちらの天気は、、、、、東京に負けず劣らず、暑い!
太陽がジリジリ照りつける中、待てども来ない秋冬を飛び越えて2017年春夏コレクション取材中(と、書いている今はミラノ行きの飛行機に乗っています)。
到着した日の夜はNYで最も注目されるブランドのひとつ、アレキサンダー・ワンのショー。今季はサーファースタイルやビーチガールをインスピレーション源に、パジャマ風ショートパンツや三角ビキニトップ、ウェットスーツ風ドレスを発表した。
さっぱりとしたコットン素材や、白×ライトブルーの縞模様が爽やかで、飾らずくつろいだ雰囲気はワンの出身地、カリフォルニアを思わせる。そこへハードウォッシュの穴開きジーンズやヒョウ柄ジャケット、レザーのミニスカートなどストリート感たっぷりのアイテムを差し込むエッジィさは、当地の若いセレブたちを魅了するワンの持ち味だ。
メークもビーチガール風の気楽でフレッシュな印象。太陽でほんのり灼けた頬を演出するチークを強調すべく、眉はブリーチ、唇も肌色コンシーラーでカラーレスに。何人かのモデルは髪もプラチナブロンドにブリーチされて、70年代のサーファー風に変身した。
こういったショーは大抵時間通りには始まらず、30分押しくらいが通常ですが、今回は予定を30分過ぎた夜の9時半を回ってもなかなか始まらない。どんな大物セレブを待っているのかしらと思っていたら、歌姫マドンナが黒いスウェット上下で登場。ショー終了後に、謎めいたムービーをバックに総勢62名のモデルが全員、マドンナと同じ黒のTシャツで現れて……。そう、サプライズな演出で、ワンとアディダスのコラボレーションが発表されたのでした。ちなみにキャンペーンに登場するのがマドンナの16才の息子、ロッコ・リッチーとのこと。
コレクション ティザームービー
ランウェイの先に隠れていたのはこのコラボ発表を祝うパーティー会場。フードやドリンクを提供するトラックや派手にスプレーペイントされたワゴンカーが設置されていたが、それというのも、コラボ初回の9型の商品はポップアップトラック(移動販売車)が移動しながら販売するのだそう。しかも世界でNY、ロンドン、東京のたった3都市のみ、1日限定売りとのこと(東京は9/17に開催され盛況に終了)。
こんなゲリラ的な売り方や、ストリート感溢れるコラボ商品のテイスト、ユースカルチャー色の強いコンセプトムービーに、パーティー会場のフードセレクト(マクドナルドやコンビニ菓子)まで、至る所に今どきの若者感覚が光る。今、ファッション界ではパリ、ミラノを中心にユースカルチャーを背景にしたブランドがトレンド牽引力を増していて、相対的にニューヨークの存在感が薄れている印象を持っていましたが、やっぱり見逃せない!!そんな感慨を胸に、時差の関係で9月10日が36時間以上続いていた私の長い1日が終わったのでした。