新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために、不要不急の外出をひかえている今。こんなときだから、家でゆっくり過ごすときにおすすめの作品を、日ごろ花椿に協力くださっている方々にお伺いしました。
第15回は、昨年度までウェブ花椿の詩の公募企画「今月の詩」の審査員を務められた、作家の高橋源一郎さんです。高橋さんがおすすめするのは、荒川洋治さんの著書の数々。こんな時だからこそ、「文学」や「本」、「ことば」について思いを巡らせてみてはどうでしょうか。
荒川洋治さんは、偉大な詩人だけれど、「現代詩作家」を名乗っている。ただ詩を書くだけではなく、詩を書く「作家」でもある。もっと広く「文学」について書く人なのだ。さっき本棚を眺めたら、荒川さんの本が並んでいた。『忘れられる過去』『夜のある町で』『霧中の読書』『文学の門』『世に出ないことば』『過去をもつ人』『文学のことば』『黙読の山』。どれも、(文学を筆頭にした、さまざまな)本について書かれたもの。こんな時代にも、この世にはこんなにも読むべきものがある、と嬉しくなるのだ。 ー高橋源一郎
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高橋 源一郎
作家
1951年生まれ。小説家、文学者、文芸評論家。著書に『さようなら、ギャングたち』(講談社文芸文庫)、『さよならクリストファー・ロビン』(新潮社)、『悪と戦う』(河出書房新社)、『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書)、『民主主義ってなんだ?』(共著、河出書房新社)ほか多数。近著に『誰にも相談できません みんなのなやみ ぼくのこたえ』(毎日新聞出版)がある。現在、昨年刊行された『一億三千万人のための『論語』教室』(河出書房新社)が無料で読むことができる。
撮影:菱沼勇夫
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