目に見えない歴史や人の営みの軌跡を辿り、可視化すること。
「第10回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館主催)地域連携プログラムとして、映像祭総合テーマ「Mapping the Invisible インヴィジブル」と連動した、3名の作家による「Out of Sinking」展に、本誌春号「ART」コラムでご紹介した荒井美波さんが参加されます。
本展では、近代文学の文豪の直筆原稿の筆跡をなめし革に刺した針金によって臨書する「立体写経」ともいえる作品を間近で鑑賞できる絶好のチャンスです。文豪の息遣いを感じ取ってみてください。
そのほかの参加は、国内外にて滞在した場所で過ごした足跡や生活を、縫いとりや手紙といった手仕事によって1つのインスタレーションのかたちに綴る作品で知られる秋山さやかさん。各国に滞在しながら、物事が伝搬する過程で生じる「誤訳」や「変容」「類似」に着目し、オリジナルの文脈から独自に救い上げた物語を大文字の歴史に編み込んでいく映像作品を制作してきた荒木悠さん。
目に見えない歴史や人の営み、想念などを、静かに水面に浮かび上がらせ、可視化する試みを続ける3名の作品にぜひ触れてみてください。
※本誌「ART」コラムに掲載の作品は、正しくは『江戸川乱歩サイン』 2017、大学院の卒業年は15年でした。訂正してお詫び申し上げます。
【展覧会詳細】
2018年2月8日(木)〜2月15日(木)
会場:AL GALLERY(代官山) http://www.al-tokyo.jp/
企画:住吉智恵(TRAUMARIS) http://www.traumaris.jp