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各地で梅雨明けし、いよいよ夏が到来です。夏の風物詩といえば野外フェス。毎週末日本各地で様々なフェスが開催されており、既に行った、もしくはこれから行かれる予定の方も多いのではないでしょうか? 今でこそ誰もが知る野外フェスですが、もともとは1960年代アメリカのカウンターカルチャーを象徴する野外イベント「ウッドストック・フェスティバル」がその原型です。
当時のアメリカはカウンターカルチャー全盛期。ベトナム戦争が起こり、社会に嫌気が差した若者たちが反抗の姿勢を示し、このムーブメントが起きました。代表的な例は、ウッドストックやヒッピー文化が挙げられ、ボブ・ディランやビートルズをはじめとする多くのミュージシャンや、スティーブ・ジョブズなどもその時代を過ごしています。
そのカウンターカルチャーをさらに遡っていくとたどり着くのが“ビート・ジェネレーション”と言われる、1955年から1964年頃にかけてアメリカの文学界で異彩を放ち、多くの若者に影響を与えた作家やアーティストたちのグループです。彼らは第二次世界大戦後のアメリカでの不自由ない生活に不満を覚え、与えられた人生を自ら捨て去り、終わりのない放浪の旅に出かけました。最近では“ビート・ジェネレーション”を代表する作家のひとり、詩人のアレン・ギンズバーグの詩を村上春樹と柴田元幸が新訳し、それをパティ・スミスが朗読するというイベントが日本でも開催されるなど、再び注目を集めている“ビート・ジェネレーション”。その展覧会が現在パリのポンピドゥ・センターで開催(10/3まで)されており、偶然訪れる機会があったので観に行きました。
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展示内容は、中心人物のジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズといった面々の詩やロバート・フランクの写真、ポエトリー・リーディングの映像など、当時の雰囲気が感じられるもので、平日にもかかわらず多くの人が訪れていました。個人的には、学生時代に読んだケルアックの『路上』が最初に触れたビート文学で、改めて展示を観て自分自身の仕事の姿勢や考え方など、少なからずそこから影響を受けていることを再確認し、初心を思い出すことができた気がします。
かつてのカウンターカルチャーはなくなったかもしれませんが、その精神は違う形で引き継がれ、閉塞した世界を打ち破り、新しい時代を作っていくのではないでしょうか。
「あらゆることに対して素直になれ、心を開き、耳を傾けよ。」
(ジャック・ケルアック / 現代散文のための信条および技術)
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大神 崇
ライター/編集者
1984年大阪生まれ。フットボールカルチャーマガジン「SHUKYU Magazine」編集長。原宿のオルタナティブスペースVACANT創設メンバー。企画・編集・執筆など、カルチャーからスポーツまで、ジャンルにとらわれず幅広い活動をしている。
http://takashiogami.com/
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