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FASHION STORY

2022.09.14

UPDATE FASHION vol.00 現代に漂う“豊かさ”- Ryu Ika

写真/Ryu Ika

過渡期であるいま、時代の“豊かさ” を映すファッションは何を表しているのでしょうか?

ファッション新連載「UPDATE FASHION」は、現代のファッションをさまざまな角度で捉えようとする試みです。そのプロローグ vol.00としてお送りするのは、「現代のファッション観」についての考察。時代時代に変わりゆくファッションの価値観、その現在の姿を、アーティストコレクティブCulture Centreに参加する作家の作品を通して考察していきます。今回はRyu Ikaさんの作品をご紹介します。

ゆれる時代、捉えどころのないファッションという名の現象を探して。

 

生きている中でやむにやまれず無限に撮っては溜まっていく写真。いつも大量に、写真を素材のように撮ってから、撮る理由がわかり始める。時代も多分そうで、物事が一段落してから初めてそれはどんな時代だったかを定義できるようになる。写真を撮ることによって世界と、時代と触れ合う。そうすることによって自分の居場所に初めてたどり着けるのかもしれない。

群れを離れてはいけない。だけどどうしても群れに馴染むことができない。自己と他者の間に挟まれ続ける。人間そのもの。この世のたった1人の特別なあなた、それを知っている私、そして逆としても成立してるその不思議さ。共にこの時代を歩んでいるみなさん。その人間像。

―Ryu Ika

 

 

Ryu Ika
写真作家。内モンゴル自治区生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。2018年在学中にパリのエコール・デ・ボザールへ交換留学。19年第21回写真1_WALLグランプリ。21年作品集『The Second Seeing 』(第二の観察)を赤々舎から刊行。撮影する行為を他人とのコミュニケーション道具として使い、また、写真を創作の素材とし、自己と他者との触れ合い方を探る中で自分の居場所についての思考を写真に纏わるインスタレーションに可視化して提示する試み。